当会の事務組合に労災保険を委託している加入者のみなさまは、年度更新に関する諸手続きを令和8年3月10日(火)までに済ませていただきますよう、よろしくお願いいたします。
労災保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間(保険年度)を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。
労災保険では、保険年度ごとに概算額での保険料を納付し、保険年度末に賃金総額が確定したあとに精算するという方法をとっています。したがって、事業主は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きが必要です。これが「年度更新」の手続きとなります。
一部では、この保険年度のことを有効期限、年度更新手続きを保険の更新と解釈されているようですが、そもそも労災保険には自動車の任意保険等のような有効期限といものはなく(一部有期事業等あり)、一度加入すると、事業廃止等をしない限りは有効ということになります。
また、有効期限が切れると災害発生時に補償が受けられないとの声も聞かれますが、そのようなこともなく、労災保険においては、費用徴収というペナルティがあるだけです。
労災保険の加入手続きを怠っていた期間中に労働災害が発生し、保険給付を行った場合、事業主から遡及して労災保険料を徴収するほか、その保険給付に要した費用の全部又は一部(30%〜100%)が徴収されることになります。
そのため、事業開始と労災保険の加入は一体と考え、加入可能であれば、すぐに加入することをオススメします。
なお、建設業においては、有期事業(請負金額1億9000万円以上)の現場に工期ごとに成立・精算する労災保険の制度もあります。
費用徴収制度についてはこちらをご覧ください。
本来、労災保険とは、労働者の業務災害、または、通勤災害に対する補償を目的とした制度となっており、労働者ではない中小事業主や一人親方等の業務中の災害、または通勤災害については、補償しないことになっています。しかし、中小事業主や一人親方等の中には、業務の実態や災害の発生状況などからみて、労働者と同じように労災保険によって補償すべき方々が存在します。
こうした労災保険の適用がない中小事業主や一人親方等に関しては、特別に労災保険加入を認め、労働者に準じた補償をする制度を設けています。この制度を「労災保険特別加入制度」といいます。
労働保険(労災保険・雇用保険)は、一部の事業を除き、法人、個人の形態を問わず労働者(パートタイマー、アルバイトを含む)を一人でも雇っていれば適用事業所※1となりますので、事業主は加入手続を行い、労働保険料を納付しなければなりません。
加入せずに、労働保険料を納付しないと、行政機関から指導を受け、指導を受けたにも係わらず、手続を行わない事業主に対しては、政府が職権により成立手続を行い、労働保険料額を決定します。
その際、手続を行っていなかった過去の期間についてもさかのぼって労働保険料が徴収されます。
また、事業主の故意又は重大な過失により労災保険未加入期間中に労働災害が発生し、保険給付が行われた場合は、政府が事業主からさかのぼって労働保険料を徴収するほか、労災保険給付に要した費用の全部又は一部が徴収さることになります。
※1、雇用保険は、一定の条件を満たさない短時間労働者は対象とならないことがあります。
※2、法人の役員、同居の親族には、労災保険・雇用保険の対象とならない者もいます。
1 労災保険の種類
(1)小工事一括労災保険
@工事ごとに労災保険が適用される。
A労災保険が適用される工事は元請に限る
下請けの場合は元請の労災を使う。
(2)一般継続事業労災保険
@事務所労災または置場労災と呼ばれているもの。
Aこの保険は個別に掛けておかないと適用されない。
B前(1)の小工事一括労災保険で救われないものは、事務所労災が適用される。
2労災保険が適用される基準
(1)労働者でなければ労災保険は適用されない。従って事業主には労災保険の適用が無いというのが原則。但し、事業主でも特別加入を予めしておけば、労働者と同じ時間帯に同じような仕事をしていた場合に限り労災保険が適用される。
(2)労働者の定義は
@事業所に雇用されていること。
A賃金が支給されていること。
(3)同居の親族は原則として労働者ではないが、次の条件の全部を満たしている場合に限り労働者とみなされる。
@親族以外の労働者を使用している事業所であること。
A同居の親族の労働条件が親族以外の労働者と同一であること(賃金支払い形態・勤務時間・賃金支払い日等が同じであること)。
B事業主の命令によって仕事に従事していることが明確であること。
(4)事業主の命令によって賃金を受けて仕事をしているときでなければ適用されな
い。
(5)仕事の内容が事業所本来の業務と関連が無いものについては、たとえ事業主の命令であっても支給されない。
(6)事故と仕事の直接因果関係がなければ支給されない。
3労災保険手続き
(1)事故が起きたら直ちに東鳶に連絡する。
(2)労災事故発生状況報告書を提出する。
(3)病院には労災事故であることを伝える。労災であるか否かに疑義がある場合は取り敢えず健康保険証で治療を受け、後日変更することも可能。
(4)東鳶から請求用紙を貰ってそれを病院に提出する。
(5)請求用紙は病院から監督署にまわる。その時点から労災か否かの審査が始まる。
(6)休業した場合は、休業4日目から平均賃金の80%が支給される。その手続き
は、東鳶に申し出てから東鳶が行う。
(7)治療が打ち切られ障害が残った場合には、障害補償も支給される。その手続きは東鳶が行う。
4その他
労災保険が適用されるか否かは、監督署が決めるのであるが、決めるための材料を提供する義務は労働者側及び事業所側にある。即ち、事業所側が積極的に立証しない限り適用されない。
労災保険
労働者や特別加入した中小事業主等が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気になった場合、あるいは不幸にも死亡された場合に、被災労働者等や遺族を保護するため必要な保険給付を行うものです。
雇用保険
労働者が失業した場合や労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するため必要な給付を行うものです。
また、失業の予防、労働者の能力開発や向上、その他労働者の福祉の増進を図るための事業も行っています。
| 委託できる事業主 | |
| 業種 | 労働者数 |
| 金融・保険・不動産・小売業 | 50人以下 |
| 卸売・サービス業 | 100人以下 |
| その他の事業 | 300人以下 |
| 一人親方 | 株式会社等の法人事業所勤務の労働者 | 個人経営の事業所 | 法人の 代表者 |
個 人 事業主 |
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| 常用労働者 5人以上 |
常用労働者 5人未満 |
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| 労災保険 | 特別加入 | 会社で加入 | 会社で加入 | 会社で加入 | 特別加入 | 特別加入 |
| 雇用保険 | 加入不要 | 会社で加入 | 会社で加入 | 会社で加入 | 加入不要 | 加入不要 |
| 健康保険 | 公営国保 または 建設国保 |
協会けんぽ等適用除外の手続きにより建設国保に加入できる場合あり。 | 協会けんぽ等適用除外の手続きにより建設国保に加入できる場合あり。 | 公営国保 または 建設国保 ※協会けんぽ等へ任意加入できる場合あり |
協会けんぽ等適用除外の手続きにより建設国保に加入できる場合あり。 | 公営国保 または 建設国保 |
| 年 金 | 国民年金 | 厚生年金保険 | 厚生年金保険 | 国民年金 ※厚生年金保険に任意加入できる場合あり |
厚生年金保険 | 国民年金 |
